アーティストトーク


 7月31日(日)14:00~より行われた 「作家によるギャラリートーク」の様子です。

 

代表による挨拶からスタートしました。

展示順路に沿って一人一人順番に、作品テーマや今回の作品についての説明などをしていきます。

まずは遠藤さんです。

よーく見ると手の指の大きさで細かい部分が描かれていることがわかります。

この絵に描かれているのは渋谷です。遠藤さんは自然に囲まれた妙義に都会の渋谷があるという風景を見てみたかったのだと言います。

 会場には遠藤さんが書いた無数のメモが貼られています。この作品を描くきっかけとなった人ごみに関する話(人ごみを歩く人々は大きく分けて何種類かに分けられるそうです)など、興味深い話が沢山!是非会場でご覧ください。

 

 

↓三木さん

現役芸大生の三木さんです。三木さんは現在東京芸術大学で油画を学んでいます。 作品はアクリル絵の具で描かれた作品です。

その時の気分を絵に表現したという今回の作品。わかりやすく言えば日記のようなものだと言います。三木さんは今現在色々な表現に挑戦しています。今後も楽しみです!

 

 

↓大竹さん

染色アーティストの大竹さんです。 昨年の東京モード学園のTVCMでご存知の方も多いのではないでしょうか?今回は平面作品とともに立体作品も展示されています。

ろうけつ染めという染色技法で絹に染料で絵を描いているこの作品は大小さまざまなパーツ数十点により構成されています。写真だとわかりづらいのですが、作品の実物はとっても大きい!!このスケール感は会場で是非感じていただきたいです。作品は絹に描かれています。大竹さんは絹の街でもある富岡市出身なので、そこにルーツがあるのかも知れません。

ちなみに立体作品のボールは呈茶パフォーマンスでも使われています。

 

 

↓温井さん

妙義30ennaleの主催でもある温井大介さんです。

手に持っている作品は「しかつぼ」という作品。

アクリル板の裏からガラス絵のような技法で描かれています。

緑色のツボが見えますね。本当に鹿にツボはあるのでしょうか…。

 若沖の町という同じく温井大介さんの作品。

架空の「アートによる町おこし」がモチーフになっています。

その計画の概略は以下の通りです。

 

『架空の町の市長が寂れた町を見かね、アートによる町おこしを考えます。

町の予算を使いアーティストを町に呼び、アーティストレジデンスを行い、

また、町も区画整理を行い、升目状に町を区切ります。

町の大部分の予算を使ったこの計画の顛末やいかに…』

 

タイトルの意味は「伊藤若冲が住んでいた」という意味ではなく、

区画整理されて升目状になった町を伊藤若冲の升目描きになぞらえてそう名づけたのですね。

昨年の作品をご覧になった方には「すまう」の延長のような作品というとわかりやすいですかね。

 

 

↓杉本さん

銅版作家の杉本さんです。ちょくちょく群馬に訪れているという杉本さん。「28エンナーレ」にも参加してくれています。

ちなみに銅版画とは、銅の板をニードルで削ったり、マツヤニを表面に塗り、酸で腐食(化学反応をおこして銅板を溶かすこと)させたりとさまざまな技法を用いて作品は作られます。砂糖を使った技法もあるとか。

杉本さんの版画作品の表面を見ると細かい模様が沢山描かれています。

(こんな細かいのどれくらい時間がかかるのでしょうか)

この模様は生き物の細胞を表しています。細胞を描くことで、

生命の「生」の部分をあらわすのですが、それによって描かれているのは、

枯れた木。どちらかというと「死」のイメージです。

杉本さんはそうすることによって「生命の生と死」という恒久的なテーマに

則って製作しているのです。

ちなみにこの木は想像上の木なんですよ。

 

 

↓岸さん

岸さんです。 岸さんは日本独特の模様や形に興味を持ち、作品に取り組んでいます。

車のフレームの形や仏像、昔の巻物など、多岐にわたります。

今回の作品はドローイングです。

水で落ちるインクと落ちないインクを用いて効果的紙にインクを

沁みさせています。

これは鎌倉のあるお寺の庭石の形、配置に感銘を受けて作られた作品です。

まるで車のテールランプのようですね。

岸さんの作品には見る角度によって色彩が変わる絵の具が使われています。

是非会場でご覧になってください。

 

 

↓キールさん

キールさんです。 キールさんは生まれはアメリカですが、れっきとした群馬県民で、現在は藤岡市鬼石町に住んでいます。

 

今回の作品は障子の格子にヒントを得て作られた立体作品です。 

 描かれたドローイングは、日本の陶器に着想を得ています。

(日本とアメリカでは陶器に対する考え方がまったく違うといいます)

陶器は焼きあがると作者の工程が分かるとキールさんは言います。

そして、この作品ではキールさんの描いていった工程が全て残っており、

どこから描きはじめたかなど良く分かるようになっているのです。

キールさんはこの作品をいろんな方向から見て欲しい、

見る人に色々考えてみて欲しい、と考えています。

是非会場で見てみて下さいね。

 

 

以上、妙義30エンナーレ、7名の作家達による

アーティストトークの様子をお送りしました!

今年も異色の作家が沢山集まりましたね!来年はどうなることやら…。

 

 

さて、以下は呈茶パフォーマンスの記事ですよ~!

 

呈茶パフォーマンス


小堀遠州流家元、小堀宗峯さんによる呈茶パフォーマンスです。

 

こんな風にお茶をたてていただきました。

流派によって少しずつ作法が異なるようです。

お水は中之嶽神社のお水を頂いてきました。器が美しいです。

 

お客様にお茶をたてます。

おや、小さなお客様も! お抹茶は初めて飲んだそう!

 

お茶パフォーマンスは大竹さんの作品とのコラボレーションでした。

着物も大竹さん制作です。目玉柄!

 

小堀宗峯さん、素敵なパフォーマンスをありがとうございました!